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胸になんか刺さった

クリエイティブディレクター西島知宏が、思考、企画、表現、言葉などについて書きます

6つの名作映画に見る「刺さる言葉の作り方」

広告でも、映画でも、言葉は「関係性」の中で使用されます。「白い紙に言葉が一行書いてある」という状況でないとすると、その言葉は、どのビジュアルと共存して使われるか、どのタイミングで使われるか。また、スーパーとして使われるか、ナレーションとして使われるか、様々な関係性の中で「残る言葉」「残らない言葉」と無意識的に分類されていくのだと思います。

 

今回はその「関係性」の中で、心にグサリと突き刺さり、私の中で「残る」セリフとなっている映画を、代表的なセリフ、そして私なりの解釈をもとにご紹介したいと思います。

 

1. カジノ

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やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。そして俺のやり方だ。-サム・”エース”ロススティーン

(There's three ways of doing things. The right way, the wrong way, and my way.)

言いたかったのは「俺のやり方は正しい」ということなのでしょうね。しかし、その前に「当たり前のこと」足すことで、本当に言いたい事が強調されるのだと思います。「西島知宏です」とただ言うのではなく、「西島家の歴史は100代に渡り続いている。私が、西島知宏です」みたいな感じでしょうか。

 

2. ブレイブハート

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人は皆死ぬが、本当に生きた者は少ない。-ウィリアム・ウォレス

(Every man dies, not every man really lives.)

これは名作ですね。西島の好きな映画ランキングでトップ10には入ると思います。「人は皆死ぬが、本当に生きた者は少ない」とても秀逸な言葉だと思います。あえて「普遍の事実」を先に提示し、それを否定することで言いたいことを強調するという。「僕はコピーライターだ。しかし、この11年何も書いた気はしない。」みたいな感じでしょうか。あくまで例ですよ。ちゃんと書いた気してます。

 

3. ビューティフル・マインド

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人生に確かなことなんてない、それだけが確かなことなんだ。-チャールズ

(Nothing's ever for sure, john. That's the only sure thing I do know.)

構造は2に似てますよね。名言と言われるものの多くは「聞いた事がない当たり前」なのかもしれません。そういうところで言うとこの記事でも書いた「既存の言葉の新しい組み合わせ」ということなのかもしれませんね。「アインシュタインは天才などではなかった。しかし、それを自覚していたから彼は天才なんだ」アインシュタインが自分をどう思っていたかはわかりませんが、言葉の構造から紡ぐとそういう感じなのではと思います。

 

4. アメリカン・ビューティー

アメリカン・ビューティー [DVD]

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今日という日は、残りの人生の最初の一日 

(Today is the first day of the rest of your life.)

元はアメリカの薬物中毒患者救済機関の設立者、チャールズ・ディードリッヒ氏の言葉なんですね。この言葉は「視点の転換」ですね。同じ対象物を見ていても見方次第で全く別の解釈ができるという。「風を向かい風と取るか、追い風ととるか、向く方向で変わる」という表現をよく目にしますが、同じなのではないでしょうか。「彼は失敗したことがない。なぜなら、彼は成功するまで続けるからだ」といった感じですね。言ってしまえば「当たり前」のことなんですが「新しい視点」をつけることで物事が変わって見えるという。

 

5. タイムマシン

タイムマシン 特別版 [DVD]

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人は誰でもタイムマシンを持っている。過去へは記憶が、未来へは希望が連れて行ってくれる。-アレクサンダー・ハーデゲン

We all have our time machines, don't we. Those that take us back are memories... And those that carry us forward, are dreams.

これも良い言葉ですよね。亡くなった人に対して「彼(彼女)は私の中で生きている」という言葉を耳にすることがありますが、近い表現なのでは思います。遠く離れた家族、恋人を想いながらも「一つの空の下にいるから」というような。これは「視点転換」+「個人の価値観の提示」なのではないかと思います。「彼女は世界一の美女だ。しかし、彼女は醜い。」といった感じでしょうか。言葉の構造としては「視点の転換」、しかし「発言者の価値観」が入っている点が特徴的なのだと思います。

 

6. ザ・ダイバー

ザ・ダイバー〈特別編〉 [DVD]

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ビリー・サンデー「なんでおまえは、そんなにがんばるんだ?」

カール・ブラシア「無理だと言われたからです」 

これは特にレトリックがどうこうという訳ではないですが、私の生きる指針に近い言葉の一つです。私が昔から親に言われ続けて来た「お前はできると信じたことしかできない。できると信じたモノ以上にはどんな事をしてもなれるものではない。自分を信じろ」という言葉。そして、岡本太郎さんの「迷ったら、苦しい道を選べ」という言葉。「諦めた奴だけが敗者になる」という私自身の価値観にグサッと刺さる言葉として入れさせて頂きました。

 

という感じで、6つの名作映画から「刺さる言葉の作り方」について考えてみました。また第2弾、そしてドラマ編などもやってみたいと思います。

 

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