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胸になんか刺さった

クリエイティブディレクター西島知宏が、思考、企画、表現、言葉などについて書きます

胸が熱くなる歴代名作オリンピックCMまとめ

今日は、リオ五輪開催中ということで、世界の歴代のオリンピックCMをまとめてみます。

1. P&G Thank you, mom.「BEST JOB」


P&G - Thank You Mama - Best Job 2012 HD 2M

まずは、P&GのCM。アカデミー賞監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ演出による名作。僭越ながらこのCMの素晴らしい所を2点挙げたいと思います。まず1つ目が「オリンピック選手のママはえらい」というアイデア。もちろんP&Gというブランドとオリンピックの接点を見つけようとすると、こういうメッセージになるのが必然ではあるものの、オリンピックスポンサー各社が選手を主語で描いているのに対し「ママ」を主語で描いている所に圧倒的な共感性を生んでいます。2つ目はキャストの演技力(編集力と言っていいかもしれない)。ここまで大人数のキャスト、エキストラが出ていると、どこかで「わざとらしいさ」が出てきてしまうものですが、一切ない。まるで本物のオリンピック選手、家族を切り取っているかのような演技力が、見ている人を完全にストーリーに引き込み、感動を生んでくれるのだと思います。2分しかない動画ですが、映画を見終えたような満足感。本当に素晴らしいCMです。

 

2. Channel 4「Meet the Superhumans」


Channel 4 Paralympics - Meet the Superhumans

こちらは、ロンドンパラリンピックの名作CM「Meet The Superhumans」。まず、よくある24時間テレビ的「障害を持っている人もこんなに頑張っています」的な演出ではなく、健常者の視点で「こんなにすげー奴らがいるぞ」と言っている所が素晴らしいと思います。そして、編集。まず、彼ら(彼女ら)が障害を持つようになった背景から目を背けていない。戦争、交通事故、生まれながらにして・・・。普通は明るい所だけを描きたくなるオリンピックCMですが、あえて暗の部分も描き切ることで、このCMに「アスリートの文脈」を付加し、彼ら(彼女ら)がたどり着いたオリンピックのスタート地点にさらなる光を照らしています。また、1分18秒くらいからの繊細なつなぎと、ラストカットのグラフィカルな切り取り方は鳥肌ものです。

 

3. Channel 4「We're The Superhumans」


We're The Superhumans | Rio Paralympics 2016 Trailer

「Meet The Superhumans」から4年。リオオパラリンピック用に作られた、同じくChannel 4のCM「We're The Superhumans」。これは、オリンピックCMの最高傑作と言ってもいいのではないでしょうか。前回のCMの視点が、その他多くのCMと同じ「視聴者からアスリート」であったのに対し、今回は「アスリートから視聴者」となっています。タイトルが「Meet The Superhumans」から「We're The Superhumans」に変わったことからも、そう意図しているのがわかります。そして、前回のCMが「究極の現実」を描いていたのに対し、今回は「究極の非現実」を描いている。これは、あくまで想像ですが、「オリンピック、パラリンピックをエンターテイメントと定義することでスポーツに興味のない人にも観て欲しい」という意図があったのではないでしょうか。

 

4. 読売新聞「僕の走れなかった道」


読売新聞 CM 僕の走れなかった道 篇 オリンピック

後半の2本は日本から。読売新聞のロンドンオリンピック用CMです。オリンピックの明るい部分だけでなく、「挫折」という暗の部分も描いているという点ではChannel4の「Meet The Superhumans」に通じる所があるかもしれません。「たった1人のオリンピック代表選手は、1億2,000万人の日本人から生まれている」ということが「万人が経験したことのある運動会」から始まる「普通の人生」というモチーフを使って描かれているCMです。

 

5. gorin.jp「私たちはオリンピックを発明した」


gorin.jp 民放五輪

民放TV局によるリオオリンピック公式競技動画サイト「gorin.jp」のCMです。オリンピクで最も象徴的な競技である「100m男子決勝の記録の進化」を通じて「人類の素晴らしさ」が描かれています。そして、その「人類の素晴らしさ」が、オリンピックの究極目的である「世界平和」のbecause ofとなっている。つまり「人間は生まれながらにして素晴らしい、それを自覚することこそが世界平和だ」そんなメッセージを伝えたかったのではないでしょうか。今、世界中で、そして日本で、誰もが「戦争」の空気を以前より濃く感じている現状で「地球にはオリンピックがある。それでいいじゃないか?」、そう伝えたかったのではないでしょうか。

 

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